2017年選抜高校野球大会、出場校予想(一般枠)

昨年は知恵ノートで予想

今大会のポイント

一般枠と神宮枠の29校のうち、北海道の札幌第一、東北の仙台育英盛岡大付、関東の作新学院東海大市原望洋前橋育英、東京の早稲田実、東海の静岡、至学館北信越福井工大福井、近畿の履正社神戸国際大付滋賀学園大阪桐蔭報徳学園智弁学園、中国の宇部鴻城、四国の明徳義塾、九州の福岡大大濠東海大福岡の20校は鉄板。
北信越、中国、四国の2校目、九州の3・4校目、近畿の神宮枠もほぼ当確と言える。
今回難航するのは関東東京の最後の枠と、中国四国の最後の枠だろう。
昨年は波乱や微妙な地区が相次いだが、今年は全国的に順当なところが多そうだ。

北海道


今年も優勝した札幌第一が順当に2年連続で選出。補欠校は準優勝の札幌日大

東北

  1. 仙台育英
  2. 盛岡大付
(補欠1位)聖光学院
(補欠2位)酒田南

昨年は決勝戦が同県対決となり地域性の問題が出たが、今年は地域性の問題もなく、順当に決勝進出の2校で決まりだろう。
補欠1位は優勝した仙台育英に敗れた聖光学院、補欠2位は準優勝の盛岡大付に敗れた酒田南

関東

  1. 作新学院
  2. 東海大望洋
  3. 前橋育英
  4. 慶應義塾
(補欠1位)健大高崎
(補欠2位)山梨学院

コメントは下の東京にまとめて記載

東京

  1. 早稲田実
  2. 日大三
(補欠1位)日野
(補欠2位)国士舘

今大会最も選考が難航すると思われるのがこの関東東京地区。まず関東大会決勝に進出した作新学院東海大市原望洋、同ベスト4で県1位の前橋育英、東京大会優勝の早稲田実までは当確。本来なら関東大会ベスト4の健大高崎も当確だから今年に限っては保留である。

残り2枠。今年は関東より東京のほうがレベルが高く、東京大会の決勝戦はサヨナラゲームの僅差の試合となったこともあり、例年通り行けば関東・東京の最後の枠は東京準優勝の日大三が有力。
だが今年はそうは行かない。なぜなら当落線上となる関東のベスト8には早稲田とともに東京六大学連盟の系列の人気校として知られる慶應義塾がいるからだ。
関東大会準々決勝では最も僅差となる1点差のサヨナラ負けであり、県1位でもあることから関東の5校目となることは確実。
早稲田実の選抜出場が当確のため、高野連としては何としても2009年以来8年ぶり2回目の早慶アペック出場を実現させたいところ。
だが東京大会決勝で早稲田実と大接戦を演じ、好投手櫻井や強打者金成を擁する日大三も捨てがたい存在となった。
もし早稲田実明治神宮大会で優勝して神宮枠を獲得していれば日大三早稲田実の両方出場で円満解決にできたところだが、残念ながら惜しくも準優勝に終わってしまった。

ともにサヨナラ負けだが日大三の相手は神宮大会で準優勝した早稲田実であるのに対し、慶應義塾の相手は関東大会ベスト4止まりに終わり、関東大会優勝の作新学院神宮大会初戦敗退となったことから、実力は日大三がかなり上回るだろう。
だが高野連としては早稲田に次ぐ人気を持つ慶應を簡単に落とすとは思えない。

そこで筆者は関東の4校目に慶應義塾が選ばれ、健大高崎日大三の比較となった結果、日大三が選ばれるという形で日大三慶應義塾の両方が選出と予想する。
横浜に勝ち、関東大会でベスト4に進出しながら落選となる健大高崎は気の毒ではあるが、今回は関東で波乱が起きそうだ。
関東の補欠1位は健大高崎、補欠2位は山梨学院、東京の補欠1位は日野、補欠2位は国士舘
東京の準決勝敗退2校はどちらもコールド負けだったため、補欠は関東一と早大学院になる可能性もある。

東海

  1. 静岡
  2. 至学館
(補欠1位)中京大中京
(補欠2位)三重

決勝進出の2校が順当に選出されるだろう。
補欠1位は中京大中京、補欠2位は三重。三重は準決勝でコールド負けしたため、補欠2位はベスト8の多治見が選ばれる可能性もある。

(補欠1位)日本航空石川
(補欠2位)日本文理

優勝した福井工大福井は鉄板。準優勝の高岡商は決勝で1-7と大差がついたため、やや微妙になった。
比較対象となるのは準決勝で福井工大福井に8-10で惜敗した日本航空石川
日本航空石川能登半島初の選抜出場となることが有利な点だが、高岡商は公立校であること、準決勝で新潟1位の日本文理に勝利したことが評価され、高岡商が上回りそうだ。
補欠1位は日本航空石川、補欠2位は日本文理

近畿

(補欠1位)東山
(補欠2位)和歌山東

昨年に非常によく似た状況となった。今年は履正社が神宮枠を獲得して7枠になった。
準々決勝でコールド2試合、非コールドが2試合、しかもコールドを回避した2試合のカードが昨年同様大阪桐蔭智弁学園滋賀学園報徳学園となり、昨年に続いて大阪桐蔭滋賀学園が勝った。
昨年もこの状況で有力でありながら、近畿の選考委員の半数を占める和歌山出身者のゴリ推しにより、市和歌山を選出するために21世紀枠に長田が選出され、兵庫3校目となることを理由に落選する不可解選考の憂き目を見た報徳学園。だが今年こそは無事選ばれるだろう。
波乱があるとすれば有力6校がすべて私立高校であるため、公立枠として高田商が智弁学園をはねのけて選出される噂があった。だが履正社明治神宮大会で優勝し、神宮枠を獲得したことで智弁学園の選抜出場もほぼ当確になったと言える。
履正社がもたらした神宮枠はやはり高田商が有力。3校ルールによりアウトとなる上宮太子を除くベスト8の7校で落ち着きそうだ。
補欠1位は東山、補欠2位は和歌山東
初戦敗退校からの逆転選考があるとすれば、報徳学園に惜敗した京都1位の東山、和歌山1位の和歌山東。ともに地域性で高田商より有利。
高田商に直接対決で負けている和歌山東は本来なら選考対象外だが、昨年も猛威を震った「和歌山枠」にはやはり注意が必要だ。

中国

(補欠1位)鳥取城北
(補欠2位)広島新庄

優勝した宇部鴻城は鉄板。準優勝の市呉は決勝で2-11の大敗(2点は最終回に記録)で当確とは言えなくなったが、今大会唯一の春夏通じての初出場ということで、ほぼ当確であるだろう。
3校目は宇部鴻城に1点差負けの創志学園が有力で、四国3校目との比較に勝って2年連続の出場をつかむと予想。
補欠1位は鳥取城北、補欠2位は準々決勝敗退チームから地域性とスコアから判断して広島新庄

四国

(補欠1位)英明
(補欠2位)宇和島東

今年の四国大会は2010年と非常によく似ている。
2010年は明徳義塾が圧倒的な強さで勝ち上がり、香川西との決勝では15-1という大差がついた。
明徳義塾と準々決勝で対戦した寒川が唯一明徳に5-6と善戦し、香川大会では香川西を破って県1位になっていた。
そのため準々決勝敗退の寒川が決勝戦で大敗した香川西を抑えて逆転選考されることも考えられたが、四国大会0勝と3勝の差は決勝戦大敗と県大会の直接対決を覆すほどではなく、結局香川西が選ばれた。
今年も明徳義塾が圧倒的に勝ち上がって決勝でも11-2の大差で勝ち、明徳義塾に準々決勝で唯一善戦した宇和島東は決勝戦で大敗した帝京第五に県大会決勝で勝っている。
2010年より決勝戦での点差が小さいため、今年も決勝戦の大敗と県大会の順位に関係なく準優勝の帝京第五が選ばれると思われるが、2010年と違う点をあげるとすれば
①2010年の決勝戦は5回まで2点差の接戦だったが、今年の決勝戦は初回から点差が開いていた。
②2010年の香川西は準決勝で高知1位の高知に勝利したが、今年の帝京第五はあまり強いところとは対戦していない。
香川西と寒川がどちらも私立だが、今年の準優勝の帝京第五は私立なのに対し準々決勝惜敗の宇和島東は公立。
ということもあり、2010年と違って今年は宇和島東が逆転選考される可能性もあるのではないかと思われるが、一応帝京第五にしておく。
3校目は準決勝の点差と地域性で英明が選ばれるが、中国3校目の創志学園との比較で対戦相手が優勝校と、準優勝校の差で創志学園が上回り、英明は補欠に回ると予想。
補欠2位は準決勝コールド負けの済美を抑え宇和島東

九州

(補欠1位)れいめい
(補欠2位)佐賀商

九州の出場枠が4枠になってから史上初、ベスト4が2県から2校ずつで占められる珍事となった。
準決勝でコールド決着がなかったため、例年ならベスト4の4校が普通に選ばれるところだが、今年は地域性の問題が出た。
決勝進出の福岡2校は落としようがない。
落選がありうるとすればベスト4止まりの熊本2校だが、秀岳館は県1位で潜在能力は決勝進出の2校に遜色なく、熊本工は熊本地震の被災地の公立校ということで外すことはできないだろう。
結局ベスト4の4校がすんなり選ばれ、史上初の2県2校ずつのアベック出場になりそうだ。
もし逆転選考があるとすれば、準決勝で0-5で完敗した秀岳館が落選し、準々決勝で東海大福岡に逆転サヨナラ負けしたれいめいが選ばれるだろう。
補欠1位はれいめい、補欠2位は熊本工に1点差で敗れた佐賀商