2023年夏の高校野球 都道府県大会展望

総評

「波乱の夏」とニュース記事が出るほど、今年は波乱の多い大会になりました。智弁和歌山の初戦敗退、連続出場の日本文理明徳義塾センバツ優勝の山梨学院、同準優勝の報徳学園が敗退し、最終日には大阪大会決勝で大阪桐蔭が敗れました。春夏通じて初出場は6校と2013年の7校以来の多さとなりました。ただ代表校の半分以上は見慣れた常連校になったと思います。
本命的中16校、対抗12校、穴7校。結果は昨年を下回りました。外れの24校のうち本文にも登場しないノーマークは1校(昨年は1校)。鳥栖工です。秋春ともに初戦敗退な上に、初戦の相手は優勝候補筆頭の佐賀北。初戦で敗退すると思って掲載から外しました。しかし報知高校野球は3番手の穴予想、週刊ベースボールでも4番手予想をしていた学校をノーマークとは僕はバカにも程がありますね。報知を信じるべきでした(というより佐賀北を過大評価しすぎた)。鳥栖工の優勝は絶対にないと思った私はとんだ大馬鹿野郎です。私は鳥栖工を舐めておりました。鳥栖工業高校の皆さんにお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした・・・。
ノーマークの学校で準優勝は2校。仙台城南と和歌山北です。すべて報知高校野球等の雑誌でもノーマークでした。しかし和歌山北は決勝でも市和歌山に延長11回までもつれこむ善戦。和歌山北高校の皆さん、お見事でした。惜しくも甲子園には届きませんでしたが、敬意を示して特別に最後に本文に追加しておきます。
高校野球先読み倶楽部」さんが今年は多忙でお休みしたため今年は私1人での予想となりました。昨年惜しくも達成できなかったノーマークゼロを達成するために、今年はなんとしてもリベンジを意気込んでいたのですが、今年も達成できず。とても悔しくて落ち込んでおります。10年代後半は波乱の少ない年ばかりになり、ノーマークゼロは目標どころか義務になっていたのですが、コロナ禍を挟んで再び波乱が相次ぐようになり、来年も難しいと思います。あと一歩なのですが、とてつもなく遠く感じます。
 

北海道

北北海道

◎クラーク国際 ○白樺学園 △旭川志峯
 
本命は選抜に出場したクラーク記念国際。エース新岡と麻原のバッテリーの評価が高い。対抗は春季全道大会ベスト8の白樺学園。エース西村、金丸、丹羽と投打に注目選手がいる。今年旭川大高から校名変更した旭川志峯は、今年は秋春とも全道大会に出場していないが夏に仕上げてきた。校名をまたがっての連続出場はなるか。
秋春連続で全道大会に出場した旭川明成は千葉、小野寺の注目バッテリーを擁する。春季全道大会で優勝した北海に延長10回と善戦した遠軽は打線が強い。旭川はプロ入りした田中楓基の弟・田中稜真が注目される。2年前の代表校帯広農21世紀枠北海道推薦に選出された稚内大谷も有力。
旭川龍谷武修館岩見沢東、滝川、釧路工、北見柏陽、滝川西、旭川なども注目される。
 

南北海道

◎北海 ○札幌大谷 △北海道栄
 
春季全道大会優勝の北海が本命。ドラフト候補の熊谷、岡田の2枚看板を擁する。対抗は昨年代表の札幌大谷。甲子園経験者が多く残る。春季全道大会準優勝の北海道栄は山崎・平を中心に投手力と機動力が高い。
立命館慶祥は春季大会でサイクルヒットを達成した正津を中心に強力打線を誇る。札幌日大は2年生エース小熊が急成長。北照は制球力が良い好投手上川を擁する。駒大苫小牧はエースで4番の大森が大黒柱。東海大札幌函館大有斗、札幌新陽は好投手を擁する。小樽双葉は小林監督が就任し春季大会では北照を破った。
函館大柏陵、札幌第一札幌龍谷、札幌新川、北海学園札幌、知内、苫小牧中央なども注目される。
 

東北

青森

 
秋春とも県大会優勝は逃したが、春季東北大会で優勝した八戸学院光星が本命。昨年甲子園に出場した洗平の弟・比呂が健在。岡本とともに二枚看板を形成する。春優勝の八戸工大一は機動力が持ち味。秋優勝の青森山田は春季大会で複数の投手が台頭した。
2年前の代表で春ベスト4の弘前学院聖愛も投手層が厚い。秋準優勝の弘前は福士と長峰のバッテリーが中心で打力も高い。進学校ながら秋春連続ベスト8の弘前、秋ベスト4の青森商は投打のバランスがいい。
東奥義塾、野辺地西、青森北、八戸工大二、三沢商、八戸西なども注目される。
 

岩手

花巻東 ○一関学院 △盛岡三
 
世代ナンバー1スラッガー佐々木麟太郎を擁する花巻東が秋春連覇し大本命。佐々木は高校通算本塁打が130本を越えた。昨年代表の一関学院は昨年の甲子園経験者小野、寺尾の二枚看板と切れ目のない打線を誇る。春3位の盛岡三は打線に爆発力があり、どの打順からでも点が取れる。
3強の一角盛岡大付は好投手橋本と伝統の強力打線で今年も総合力は高い。秋準優勝の専大北上は春季大会で2試合連続マルチ安打の坂本が打線に勢いづける。大船渡は佐々木朗希の弟・佐々木怜希が期待される。秋春ベスト8の盛岡誠桜はエース高橋が投打の軸。盛岡四は春の県大会で緩急を利かせるエース左腕の桜田が好投しベスト4進出。水沢工は春季大会で全試合安打を記録した佐藤が打線の中心。
一関ニ、花巻南、水沢、久慈東、福岡なども注目される。

 

秋田

◎明桜 ○能代松陽 △秋田商
 
2校がリードしている。明桜は春季大会を5試合無失点で優勝し投手力と守備力が堅い。3季連続出場を狙う能代松陽は選抜で好投したエース森岡の制球力が抜群。夏はノーシードから連覇を狙う。春準優勝の秋田商は速球に威力がある本格派右腕松橋と主将の斉藤のバッテリーが有力だ。
夏2年連続準優勝の秋田南は春ベスト4で今年も有力。伊藤、杉山、田口の三本柱が並ぶ。同じく春ベスト4の秋田中央は投手リレーでつなぐ。秋春連続ベスト8の大曲工投手力が高い。横手も秋春ベスト8と安定感がある。秋準優勝の由利も有力。
湯沢翔北、花輪、大館桂桜、横手清陵、大館鳳鳴、秋田、本荘、金足農なども注目される。
 

宮城

仙台育英 ○東北 △仙台商
 
夏の甲子園連覇を狙う王者仙台育英が圧倒的本命。東北勢初優勝に導いた高橋を筆頭に、湯田、仁田、田中、佐々木と豊富な投手層が今年も健在だ。秋の県大会で仙台育英の秋11連覇を阻止して優勝した東北が打倒仙台育英の一番手。2年前に仙台育英を破った台商は阿波、作田、大友とタイプの異なる投手陣で春季大会準優勝した。
仙台一は春季大会で打撃戦、投手戦どちらも制して3位になった。春4位の東陵は春季大会10安打の今野、50メートル5.8秒の鴨原が打線の軸になる。秋3位の利府は投打のバランスが良い。春季大会準々決勝で仙台育英に善戦した古川学園は投打に有力選手がいる。昨年ベスト4、秋春ベスト8の仙台南は昨年準決勝をコロナで辞退したリベンジに燃える。昨年準優勝の聖和学園も有力。日本ウェルネス宮城はドラフト候補の投手大内を擁する。
仙台三、仙台二、柴田、東北学院、佐沼なども注目される。
 

山形

◎鶴岡東 日大山形 △山形中央
 
本命は昨夏優勝、秋準優勝、春優勝の鶴岡東。投打のバランスが良く、春の県大会で13本の長打を打った。春準優勝の日大山形は長身のエース菅井がダイナミックなフォームでMAX144km/h。春季大会準決勝ではノーヒットノーラン(7回参考)を達成した。秋優勝の山形中央はエースで主将のドラフト候補武田を擁して、打率4割の渡辺を中心とした打線も強力。
春ベスト4の東海大山形羽黒はともに投手層が豊富で打線も強い。秋3位の山形城北は春季大会7安打の笹川が得点源となる。酒田南はエースの中が二刀流の強打者だ。
九里学園、山形商、新庄北、酒田東、創学館なども注目される。
 

福島

 
聖光学院が一昨年秋から県大会5季連続優勝中で圧倒的本命。1番高中、4番三好など夏の甲子園ベスト4の経験者が多く残る。対抗は春準優勝の日大東北と、秋準優勝、春3位の学法石川日大東北は2年前の夏の甲子園経験者、双子の堀米バッテリーが注目される。
春ベスト4の郡山は野手兼任のエース藤田がチームを牽引する。秋3位の田村はエース石川の力投が鍵を握る。2年連続準優勝の光南は捕手の好打者湯田次第で2年前の聖光学院撃破の再現が狙える。白河は小柄のスラッガー鈴木が打線を引っ張る。
平工、東日大昌平、学法福島、相馬、会津北嶺、福島東、いわき光洋、ふたば未来、只見なども注目される。
 

関東

茨城

 
本命は春季大会優勝の常総学院。諸星、小林の左右の二枚看板に打線も強力だ。対抗は秋優勝、春準優勝の土浦日大。MAX149km/hの小森、捕手塚原の注目バッテリーを擁する。霞ヶ浦はMAX150km/hのドラフト候補の木村を擁する。
秋準優勝、春ベスト4の常盤大高は切れ目のない強力打線で総合力は3強とも遜色ない。藤代は制球力のある大竹に関谷、佐々木も台頭し秋より戦力アップした。昨年春夏連続出場の明秀日立は今年は上位進出できてないが戦力は引けを取らない。甲子園未出場ながらプロ野球を多く輩出しているつくば秀英は今年は好投手五十嵐を擁する。
鹿島学園水戸商岩瀬日大、佐和、土浦湖北、下館工なども注目される。

 

栃木

作新学院 文星芸大付 △青藍泰斗
 
選抜ベスト8の作新学院が県大会を秋春連覇し大本命。昨年連続出場が10で止まったが、今年は秋からリードしてきた。対抗は春準優勝の文星芸大付。ドラフト候補の捕手黒崎を中心に強力打線を誇る。秋準優勝の青藍泰斗は長身右腕長嶋に安定感がある。
秋ベスト4の佐野日大は3番鈴木が好機に強い。昨年作新学院を撃破して甲子園に出場した国学院栃木はエース森永を中心に甲子園ベスト16経験者が多く残る。21世紀枠で選抜出場の石橋はエース入江に加えて、春季大会で3試合連続完投した藤巻、秋のエース小林の復帰で投手層が増した。宇都宮商は春季大会準々決勝で作新学院に善戦した。小山投手力に安定感がある。同じく春ベスト8の茂木は打率.588の強打者仁平が大黒柱。白鴎大足利は昆野を中心に能力のある選手が多い。
昨年準優勝の宇都宮南矢板中央、宇都宮工も有力だ。

 

群馬

 
県大会秋春連覇した健大高崎が本命にあがるも夏は決勝戦で6連敗中(独自大会含む)。8年ぶりの夏の甲子園出場にはエース小玉を中心とした投手層が鍵を握る。一昨年まで5大会連続出場していた前橋育英は今年も夏に仕上げてきた。桐生第一は切れ目のない強力打線で15年ぶりの夏の甲子園出場を狙う。
秋春準優勝の明和県央はエースで4番の須藤が大黒柱。春ベスト4の高崎商大付はスライダーが良いエース星野を中心に3投手で勝負する。昨年3強を次々破って代表となった樹徳は好投手清水を中心に連覇を狙う。前橋商は坂部、清水の二枚看板で力がある。
桐生市商、前橋工、市太田、利根商、東農大二関東学園大付、高崎商なども注目される。

 

埼玉

浦和学院 ○昌平 △山村学園
 
本命は浦和学院。秋春ともに決勝で昌平に敗れて準優勝に終わっているが、総合力と実績では県内トップ。春の県大会では5試合で43得点と打線の厚みが増した。悲願の甲子園初出場を目指す秋春連覇の昌平はドラフト候補の捕手斎藤を中心に投打で戦力が高い。こちらも甲子園初出場を目指す山村学園は秋季関東大会でベスト8。西川、川窪、青木、川村、中嶋と投手陣が豊富だ。
ここ数年毎年プロ野球選手を輩出している花咲徳栄は今年も石塚、柴田などドラフト候補を多く擁する。4季連続ベスト8の西武台はドラフト候補の強打者金田が高校通算本塁打30本以上と長打力が高い。春ベスト4の大宮東と秋ベスト4の東農大三はエースに安定感がある。同じく春ベスト4の市川越は50m6.1秒の俊足南と長打力の高い畠山が打線を引っ張る。古豪上尾は春季大会3回戦で山村学園を1失点に抑えた飯島が注目。昨年代表の聖望学園は新監督のもと連覇を狙う。その聖望学園と春ベスト8のシード校大宮南は初戦で対戦する。滑川総合は秋季大会で初戦で花咲徳栄を破ってベスト8入りした。
狭山清陵、正智深谷埼玉栄、秀明英光、春日部東、立教新座春日部共栄なども注目される。
 

千葉

 
選抜ベスト8の専大松戸が県大会を秋春連覇し大本命。MAX151km/hのドラフト候補平野を中心に投手力が高い。その専大松戸に春季県大会では決勝で大敗したが、関東大会では専大松戸より勝ち進み準優勝した木更津総合が対抗。2年連続準優勝のリベンジを誓う。
春ベスト4の中央学院は好投手井川に加え、2年生村田もいて投手力が高い。昨年代表の市立船橋は高校通算25本塁打の篠崎を中心に強力打線を誇る。秋ベスト4、春ベスト8の拓大紅陵は投手層が豊富。2019年春の甲子園準優勝の習志野は春ベスト4で今年も有力。秋ベスト4の成田は右サイドの斎藤が健在。幕張総合はMAX150km/hのドラフト候補の好投手早坂が注目だ。勝ち上がれば5回戦で専大松戸と対戦する。春ベスト8の東京学館投手力千葉日大一は打力が良い。千葉学芸、千葉黎明も好投手を擁する。
八千代松陰志学館、東京学館浦安銚子商、光英VIRITASなども注目される。
 

東東京

◎帝京 ○二松学舎大付 △関東一
 
帝京、二松学舎大付、関東一の3校が中心。本命は春季大会優勝の帝京。気付けば甲子園から11年遠ざかってるが、今年はMAX147km/hの高橋を中心に4人の投手陣を揃える。5季連続出場を狙う二松学舎大付は春季大会では3回戦で敗退しノーシードとなった総合力は都内上位だ。関東一は高校通算本塁打30本超の衛藤、20本超の高橋とクリーンナップに強打者を揃える。
修徳はドラフト候補の投手篠崎が春季大会は欠場したが夏はフル稼働できる見込みだ。東京成徳大奄美大島出身の西、中、篠原が打線の中心。日大豊山の本格派右腕井上はスライダーにキレがある。昨年準優勝の日体大荏原は経験豊富なエース石井と前チームからのレギュラーが牽引する。都立ながら近年好成績の小山台は松崎、村山のクリーンナップのミート力が高い。東亜学園は投手層が豊富。昨年ベスト8の城東も上位進出を狙える実力がある。
甲子園決勝進出経験のある堀越、岩倉も期待がかかる。森学園、共栄学園駿台学園実践学園、日本ウェルネス明大中野城西大城西東海大高輪台なども注目される。

 

西東京

 
選抜ベスト8の東海大菅生と昨年代表の日大三が中心となる。この2校は勝ち上がれば準々決勝で対戦する。東海大菅生はドラフト候補のMAX150km/hの日当と北島のバッテリーがチームを牽引する。日大三は3月に小倉監督が退任し、三木新監督の新体制の春季大会ではベスト4。2017年春以来の甲子園を狙う早稲田実は投打に有力選手がいる。
秋春連続ベスト8の桜美林は吉田、小平のバッテリーの評価が高い。創価は好投手土居と俊足の打者が揃い戦力が充実している。春季大会で二松学舎大付を破った八王子はエース鈴木を中心に投手力が高い。早大学院はエース西山が投打ともパワーが増した。春ベスト8のパウロ学園は好打者が揃う。国学院久我山は昨年選抜ベスト4のメンバーが多く残っている。
世田谷学園国士舘日大鶴ヶ丘専大付、明大中野八王子、佼成学園、日野、富士森、日大ニなども注目される。

 

神奈川

慶應義塾 ○東海大相模 △横浜
 
選抜に出場した慶應義塾が春季県大会で優勝し一歩リード。渡辺、福井、清原と強打者揃いの強力打線を誇る。対抗は春季大会ベスト4の名門東海大相模。3年連続出場を狙う横浜は1年生から甲子園に出場している杉山、緒方が集大成を迎える。
春準優勝の相洋は大谷・渡辺のバッテリーが注目される。春ベスト4の横浜隼人は俊足の林が打線を引っ張る。秋ベスト4の日大藤沢はエース佐藤に加え、打力も伸びてきた。秋ベスト4、春ベスト8の横浜創学館は2年生エース鈴木が球速をあげた。桐蔭学園は中野を中心に打線が強い。私学5強の一角桐光学園は25年ぶりのノーシードだが侮れない。1勝すれば春ベスト8のシード校藤嶺藤沢と対戦する。昨夏ベスト4、春ベスト8の立花学園はエース佐藤の制球力が良い。藤嶺藤沢湘南は好投手を擁する。
三浦学苑藤沢翔陵、向上、平塚学園、横浜商、日大高、藤沢清流なども注目される。
 

山梨

◎山梨学院 ○甲府工 東海大甲府
 
選抜優勝の山梨学院が大本命。公式戦14本塁打の強打者高橋を中心とした強力打線は健在。投手陣は選抜の全6試合に先発したエース右腕、林が軸となる。甲府は春季大会で王者山梨学院を延長12回タイブレークの末16-15で破って優勝した。こちらも山梨学院に競り勝った強力打線が持ち味。東海大甲府は田頭、長崎、吉井の豊富な投手陣に打力も上がった。
秋準優勝の駿台甲府はMAX148km/hの好投手平井を擁する。日本航空はフォークが武器の石上が期待される。秋ベスト4の帝京三は二枚看板の投手陣が武器。青洲は秋春連続ベスト8と今年好成績のダークホース。吉田は主将の遊撃手舟久保が攻守の要だ。
笛吹、日大明誠甲府商、甲府城西、富士学苑なども注目される。
 

東海

静岡

 
春季大会の上位3校がリードしている。加藤学園は春季静岡大会初優勝に続いて春季東海大会でも優勝し、交流試合以来の甲子園出場と夏の甲子園初出場に近づいた。エース吉川に続いて県大会準決勝で1失点に抑えた小沢も台頭し投手力が増した。昨年春夏連続出場の日大三島はエースで強打者で主将の二刀流右腕永野を中心に総合力が高い。選抜出場の常葉大菊川はドラフト候補の捕手鈴木が注目される。
昨年の春季東海大会で優勝した浜松開誠館は好投手近藤を擁して今年も有力。静岡は中野、元谷、斎藤と右の三本柱で投手層が厚い。近年甲子園初出場にあと一歩に迫っている聖隷クリストファーは秋春ベスト8と今年も安定している。秋準優勝の常葉大は秋の立役者エース杉田が鍵を握る。静清は昨年準優勝の経験者佐山、松井のバッテリーが中心となる。
藤枝明誠掛川西、知徳、御殿場西、東海大静岡翔洋静岡商、島田商、浜松商も注目される。
 

愛知

◎東邦 愛工大名電 △至学館
 
秋季東海大会王者、センバツベスト16、県大会秋春連覇の東邦がリードしているものの、伝統の私学4強に至学館を加えた「私学5強」による激戦が予想される。東邦は宮国、岡本、山北の三本柱で投手層が厚い。東邦を追うのは2年連続出場中の愛工大名電。笹尾、伊藤、大泉とこちらも多彩な投手層を誇る。秋春連続準優勝の至学館は主将でエースの伊藤を中心に春季東海大会では東邦より勝ち進みベスト4に進出した。
近年甲子園にあと一歩に迫る享栄は今年はドラフト候補の東松を擁して復活を狙う。中京大中京は強肩捕手の江崎を中心に昨年コールド負けのリベンジを誓う。好投手を擁する春準優勝の愛知啓成と4年前の代表校が5強を追う。甲子園ベスト4の経験がある豊川は今年は秋春ベスト8と強い。春ベスト8の中部大春日丘は2塁送球1秒8台の強肩捕手比嘉門がチームを牽引する。桜丘は春季大会準々決勝で東邦に善戦した。愛産大工は好投手天野を擁する。
大府、刈谷、星城、愛知黎明、日本福祉大付、安城安城も注目される。
 

岐阜

県岐阜商 大垣日大 △中京
 
今年も県岐阜商大垣日大、中京の3強が中心。春季岐阜大会で優勝し東海大会で準優勝した2年連続出場中の県岐阜商が本命。山口、森の二枚看板を擁して投打で選手層が厚い。選抜2年連続出場の大垣日大はエース山田と坂口監督の孫・高橋に期待がかかる。秋優勝の中京はエース左腕の菅沢の制球の良さが光る。
進学校岐阜は今年は秋春連続ベスト4で3強を追う一番手だ。秋3位の市岐阜商は左腕としても活躍する1番松本を中心に打線が強い。昨年準優勝の帝京大可児はエース加藤が調子を取り戻せば初制覇が狙える。岐阜城北は秋田監督の四男・捕手の秋田和佳主将が軸。
岐阜第一、多治見工、益田清風関商工、高山西、美濃加茂土岐商なども注目される。
 

三重

◎三重 ○いなべ総合 △津商
 
昨年甲子園出場の経験者が多く残る三重が本命。中軸を担う大越は昨年のチームでも4番を努めた。春優勝のいなべ総合は春季大会4試合で51安打30得点の強力打線を誇る。春準優勝の津商はMAX145km/hの松田と強肩捕手樋尾のバッテリーを中心に守備力が光る。
古豪海星は秋春連続3位と復活が見えてきた。ドラフト候補の捕手伊藤が好調だ。春ベスト4の津田学園は打線の破壊力は十分。秋ベスト4の木本は榎本、西の二枚看板に俊足強打の捕手久保が軸。宇治山田商はインフルエンザで主力が欠場した春季大会準々決勝で9回5点差から逆転サヨナラ負けした雪辱に燃える。
松阪商、松阪、皇学館、白山、近大高専四日市工、菰野、桑名工神村学園伊賀なども注目される。
 

北信越

新潟

 
秋春ともに優勝はないが、4大会連続出場を狙う日本文理が本命。MAX149km/hの高橋が鍵を握る。秋準優勝・春ベスト4の中越はエースで4番の野本、左腕尾身の二枚看板を擁する。春優勝の帝京長岡は春季大会チーム打率.386の強力打線を誇る。昨年夏は準優勝、悲願の甲子園初出場はなるか。
秋優勝の新潟明訓は春は初戦敗退だったがエース樋口次第で11年ぶりの甲子園が狙える。春準優勝の加茂暁星は2年生エース真保に制球力があり、打線も勝負強い。東京学館新潟は強肩捕手の4番八幡が注目される。春ベスト8の北越、高田北城投手力が高い。新潟進学校ながら秋ベスト8に入った。
長岡大手、高田、関根学園、新潟産大付、開志学園なども注目される。
 

長野

松商学園 ○上田西 △佐久長聖
 
有力校がひしめく大混戦。秋優勝の松商学園は春は地区予選で敗退しノーシードとなったが、組み合わせに恵まれてわずかにリード。市川、山岸と好打者を揃え、投手層も豊富だ。春優勝の上田西は前チームからのエース権田と服部の二枚看板と、高校通算20本塁打を超える遊撃手横山と投打に有力選手が揃う。佐久長聖は二遊間の柳沢や森本ら、甲子園に出場した選手が残り、経験豊富。
春準優勝の松本国際は塚原、塚原青雲、創造学園大付と異なる3つの校名で甲子園に出場。今年は秋春連続ベスト4以上で、新校名初の甲子園が見えてきた。春3位の松本第一は好打者佐々木が攻撃の核。長野日大は主軸でエースの主将、青木が牽引する。秋ベスト4の伊那北は埋橋と松崎の二枚看板が注目される。長野進学校ながら秋春連続ベスト8と好成績を上げている。日本ウェルネス長野は78歳のベテラン中原監督が最後の夏を迎える。
東海大諏訪東京都市大塩尻など中堅私学も有力。飯田、小諸商、長野商、上伊那農、屋代、松本深志、岡谷南、篠ノ井、飯山なども注目される。
 

富山

◎富山商 ○富山第一 △高岡第一
 
本命は春季大会優勝の富山商。エース上田を中心に投手力と守備力は県ナンバー1だ。春準優勝の富山第一は春季大会5試合中3試合を5回コールド勝ちした強力打線を誇る。3年前の独自大会優勝の高岡第一は秋春連続ベスト4。エース土肥次第で42年ぶりの夏の甲子園出場が狙える。
選抜出場の氷見は春季大会を欠場したエース青野の復帰が必須条件。全国最多5大会連続出場中の高岡商は今年は結果を出していないが侮れない。新川は秋ベスト8、春ベスト4、石動は秋春ベスト8と今年は好成績をあげている。不二越は好投手を擁する。秋準優勝の新湊と秋ベスト8の高朋は初戦で対戦する。
富山北部、未来富山、南砺福野、魚津、富山工なども注目される。
 

石川

日本航空石川 ○星稜 △遊学館
 
秋季県大会優勝・春季北信越大会優勝の日本航空石川と、春季県大会優勝・春季北信越大会準優勝の星稜の2強が抜けている。秋と春でベスト4、さらにはベスト8の顔ぶれも全く同じで、4強とも言える。秋の新チーム以降秋季石川大会、春季石川大会、春季北信越大会で3度対戦し、日本航空石川が2勝1敗とリードしている。5人の投手陣による投手層の厚さは県内ナンバー1だ。星稜はMAX149km/hのエース武内が大黒柱。春季大会準決勝で遊学館との打撃戦を制した打力も自慢だ。
秋春ベスト4の遊学館は春季大会で星稜10得点した強力打線に、ドラフト候補村松を擁する投手力も強い。同じく秋春ベスト4の小松大谷は塚田、竹島の二枚看板と、それをリードする捕手前本のバッテリーが強力だ。飯田は右サイドの安宅が多彩な変化球で打ち取る。金沢桜丘はエース喜多航が投手と外野手をこなす攻守の要だ。金沢は航空石川に匹敵する5人の投手陣を揃える。
秋春ベスト8の金沢学院大付、金沢龍谷も有力。金沢商、鵬学園なども注目される。
 

福井

敦賀気比 ○丹生 ○福井商
 
夏5大会連続出場と5季連続出場を狙う敦賀気比がリードしているが2番手は大混戦。敦賀気比は昨年の経験者が多く残り、春季大会は初戦敗退しノーシードとなったが実績十分。昨年21世紀枠で選抜出場の丹生は春季大会で秋春夏通じて初優勝を果たした。昨年の甲子園経験者井上を筆頭に投手層が厚い。福井商は秋のエース川野が負傷した中で春季大会で笹川が活躍。二枚看板で2013年以来の甲子園を目指す。
秋季北信越大会優勝の北陸は知広、平田のバッテリーが好守の軸。投手力が安定しており春夏連続出場も十分狙える。福井工大福井はMAX147km/hの好投手岡部が柱。秋ベスト4の啓新は捕手の評価が高い。
美方、若狭、金津、敦賀工、坂井、敦賀、大野なども注目される。
 

近畿

滋賀

◎近江 ○滋賀学園 △彦根総合
 
秋は波乱が相次いだ滋賀だったが、春は順当に優勝した近江が今年も本命にあがる。山田陽翔の後を継いだ西山、河越、中谷の「三本の矢」が軸となる。春準優勝の滋賀学園は投打に注目選手がいて総合力が高い。波乱の秋季滋賀大会で優勝し選抜に出場した彦根総合は勝田・野下の二枚看板で春夏連続出場を狙う。
春3位の綾羽はドラフト候補の野川を擁して悲願の甲子園初出場を目指す。1985年夏の甲子園でベスト4進出の経験がある甲西は春季大会で秋の王者彦根総合を破りベスト4進出と、旋風以来の甲子園が見えてきた。常連進学校彦根東、夏2年連続準優勝の立命館守山、滋賀短大付は好投手を擁する。秋準優勝の瀬田工、同ベスト4の近江兄弟社、水口東の秋の躍進組にも期待。
石山、光泉カトリック比叡山八幡商なども注目される。
 

京都

◎京都国際 ○龍谷大平安 △乙訓
 
選抜に出場した龍谷大平安と夏2年連続出場中の新盟主京都国際の2強が中心。3年連続出場を狙う京都国際が本命。森下を継いだエース杉原はドラフト候補。昨秋は龍谷大平安にコールド勝ちしたが、近畿大会ではまさかの初戦敗退で選抜出場を逃したリベンジに燃える。秋春3位の龍谷大平安は選抜に出場したがここ数年京都国際に勝ててない。春夏連続出場にはエース桑江が鍵を握る。
秋優勝の乙訓、春準優勝の立命館宇治も実力は2強と遜色なく、4強とも言えそうだ。春ベスト8の日星のエース荒木は府内屈指の右腕だ。京都共栄学園は昨年秋に就任した木谷監督が就任1年目で春ベスト8と結果を出した。京都翔英は高校通算24本塁打の強打者小笠原を擁する。秋ベスト4の鳥羽は長打力のある打者が並ぶ。秋ベスト8の塔南は今大会は「塔南・開建」として出場する。
京都外大西、西城陽福知山成美、洛水、山城、東山、京都成章なども注目される。
 

大阪

 
選抜にアベック出場した大阪桐蔭履正社に「大阪2強」に金光大阪が加わり「大阪3強」時代が到来しつつある。
大阪桐蔭が本命にあがるものの例年ほど突出していない。今年は春季大会決勝で金光大阪に破れ府内連勝記録が56で止まった。春季大会では前田を登板させず投手層の底上げを図った。金光大阪は昨年選抜でベスト8に進出すると、今年の春季府大会で大阪桐蔭を破って優勝し、近畿大会でも準優勝。その原動力となったエースキャリーが夏も鍵を握る。選抜出場の履正社は2校にやや遅れを取るものの投打に有力選手がいる。
春3位の近大付は市村・有方の二枚看板が注目される。春4位の大商大堺は志賀、植村の左腕二枚看板が強み。秋ベスト4、春ベスト8の関西創価は柴田が投打で軸となる。秋3位で近畿大会に初出場した箕面学園は守備力が高い。東大阪大柏原は4季連続ベスト8の壁脱却を目指す。関大北陽は遊撃手石田が攻守の要。興国は主将を疲労骨折で欠く中で春季大会ベスト8に入った。上宮は昨夏ベスト4、秋ベスト8と復活の兆しが見える。
八尾、大体大浪商大阪偕星学園東海大大阪仰星、上宮太子、浪速、近大泉州なども注目される。
 

兵庫

 
選抜準優勝の報徳学園が県大会を秋春連覇し大本命。盛田、堀のドラフト候補のバッテリーを中心に甲子園でも優勝候補にあがる。秋準優勝、春4位の神戸国際大付は豊富な投手陣で報徳学園を追う。春準優勝の滝川二は2003年夏の甲子園に平安のエースとして出場した服部監督が今年春就任した。MAX149km/h、エースで4番の坂井が大黒柱だ。
3季連続の甲子園出場を狙うは春季大会の3位決定戦で神戸国際大付を破り手応えをつかんだ。明石商はMAX142km/hの横山、技巧派左腕羽藤、野口と投手層が厚い。秋4位の古豪育英は延長13回タイブレークの末近畿大会出場を逃した秋の悔しさを胸に23年ぶりの夏の甲子園出場を狙う。秋春ベスト8の須磨翔風は昨年のエース槙野の弟がエースを継いだ。春ベスト8の市西宮、神戸弘陵投手力が安定している。21世紀枠補欠校の小野は捕手で主将の市橋を中心に自力での甲子園初出場を狙う。岡田監督2年目となる東洋大姫路は今年は結果を出してないが侮れない。社と同じブロックに入った神港学園も注目。
21世紀枠で甲子園出場経験のある長田、東播磨や、加古川西、市尼崎、神戸学院大付関西学院なども有力だ。
 

奈良

智弁学園 ○天理 △高田商
 
今年も2強が中心となる。本命は春季近畿大会で優勝した弁学園。ドラフト候補の捕手高良、松本を中心とした強力打線に、藤田、中山を擁する投手力も高い。昨年代表の天理も4番松本を中心に強打者をズラリと並べる打線が売りだ。選抜で惜しくも補欠校となった高田商は2強に割って入って「3強」の座を射止めるとこまで来ている。
春3位の御所実は永松、秋春ベスト4の橿原は下西と投打で活躍している選手がいる。3強の一角候補の奈良大付は秋は智弁学園、春は天理、そして夏も天理とくじ運に恵まれず今チームは勝利をあげていない。昨年準優勝の生駒は快進撃の再現なるか。国立ながら春ベスト8に進出した奈良女子大付にも注目。
橿原学院、桜井、高田、奈良商工、大和広陵、畝傍なども有力だ。
 

和歌山

智弁和歌山 ○市和歌山 △箕島
 
夏6大会連続・3季連続出場を狙う智弁和歌山が今年も本命。MAX147km/hのエース清水に加え、吉川、中西、松倉と投手層が増した。春季大会決勝で智弁和歌山を破って優勝した市和歌山が対抗。小園、米田の後を継いだ粟谷はMAX145km/hに球威が上がり、今年も投手力が高い。
秋春連続ベスト4の古豪箕島、春ベスト4の和歌山南陵は厚い投手層で2強を追う。秋準優勝の近大新宮は春は欠場したエース大槻が鍵を握る。21世紀枠県推薦の熊野は秋に続いて春もベスト8と安定している。和歌山商は投手陣の成長が著しい。秋3位の海南、昨年準優勝の桐蔭といった古豪にも期待がかかる。
初芝橋本、田辺、日高中津、和歌山東なども注目される。(ノーマーク:和歌山北)
 

中国

岡山

岡山学芸館 ○創志学園 △おかやま山陽
 
有力校がひしめく混戦の岡山。3校が一歩リードしてきる。春優勝の岡山学芸館はドラフト候補の伊藤、秋までエースの金田、2年生の沖田と豊富な投手陣を誇る。昨年代表の創志学園東海大相模から門馬監督が就任して初めての夏を迎える。秋優勝のおかやま山陽は井川、西野の両右腕が安定する。
2年前の代表・秋ベスト4の倉敷商、昨年選抜出場・春ベスト4の倉敷工も3校と戦力は遜色ない。倉敷工はサイドスローのエース片山が粘り強い。春準優勝の玉野光南は小玉、井上の両右腕で10年ぶりの甲子園を狙う。秋春ベスト8の岡山理大付は高橋、桜木のバッテリーの評価が高い。00年代の甲子園常連関西も有力。
作陽学園、就実、岡山東商、岡山商大付、金光学園、笠岡工なども注目される。

広島

 
3強が中心。その中でも中国大会秋春連覇、選抜ベスト4の広陵が大本命。MAX147km/hの高尾、倉重の二枚看板に強力打線を誇り全国的でも優勝候補。昨年も大本命ながらまさかの3回戦敗退を喫したリベンジに燃える。広島新庄広島商はともに好投手を擁して広陵を追う。
春3位の崇徳は投打のバランスが良い。春4位の市呉は九十九、岡村の二枚看板に安定感がある。秋ベスト4の神辺は打球速度が150km/hに迫る相方を筆頭に強力打線を誇る。瀬戸内はエース宮本の奪三振率が高い。如水館も投打に有力選手がいる。秋ベスト8の呉港は2年生右腕伊藤が春に台頭し期待がかかる。昨年広陵を撃破した英数学館は笹宮・下村のバッテリーの評価が高い。
昨年代表の盈進や、広島工大高、尾道商、近大福山、総合技術、尾道、西条農、広島国際学院なども注目される。
 

鳥取

 
センバツ出場の鳥取城北が県大会を秋春連覇しており突出している。ただしまだ秋春夏3連覇したことがない。エース新庄を中心に投手層が厚く、打力も高い。対抗は秋春連続準優勝の米子松蔭。投攻守でそつがない。昨年代表の鳥取はエース山根を筆頭に甲子園経験者が攻守の軸として多く残る。
八頭は8度の甲子園出場を誇る徳永監督が復帰し春3位と結果を出した。秋3位の米子東は秋春ともにホームランを打った後藤がチームを牽引する。秋4位の倉吉北は走攻守揃う遊撃手皿良が期待される。昨年準優勝の倉吉総合産は今年も秋春連続ベスト8と安定している。
境、鳥取西鳥取工、米子西、米子北、倉吉東なども注目される。
 

島根

◎浜田 ○大社 立正大淞南
 
秋と春のベスト4がすべて入れ替わる大混戦。昨年代表の浜田はエース波田を中心に昨年以上の総合力を有する。強豪のほとんどが右の山に集中したため、春優勝の大社は組み合わせに恵まれた。安松、馬庭の左右の二枚看板が鍵を握る。春準優勝の立正大淞南は右腕山下が春季大会で復活し戦力が上がった。
開星は秋春ともにベスト16止まりだが総合力は県内トップレベルだ。MAX143km/hの百合沢は県内屈指の好投手だ。2年前の代表石見智翠館は同じく今年上位進出がないが昨年の経験者が多く残り戦力は高い。秋準優勝の三刀屋は強打者高野、槙野を中心に打線が強い。春ベスト4の邇摩、島根中央、秋ベスト4の益田、益田東と秋と春の躍進組にも期待。
出雲、飯南、矢上、出雲商、出雲西、大田、出雲北陵、益田翔陽なども注目される。
 

山口

高川学園 ○下関国際 宇部鴻城
 
下関国際が突出していた昨年と打って変わり、今年は主に5校がひしめく激戦。県大会秋春連覇の高川学園が一歩リード。葛西、河野と左右の二枚看板を揃え投手力に安定感がある。だが決勝戦はともに1点差でそこまで突出していない。準優勝校も秋春ともに同じ宇部鴻城。打力は県内トップだ。夏は勝ち上がれば準決勝で高川学園と対戦する。昨年夏の甲子園準優勝の下関国際は春3位と今年も夏に仕上げてきた。右腕方ヶ部に加えて春季大会で福嶋が覚醒した。
選抜に出場し1勝したは甲子園で好投したドラフト候補の升田が期待される。1958年夏の甲子園優勝経験のある古豪柳井は今年は秋春連続ベスト4で復活のチャンスだ。南陽工サイドスローのエース山本が投打の軸で、総合力が高い。昨年準優勝の宇部は秋春ベスト8と今年も安定感がある。山口鴻城投手力が高い。
豊浦、宇部商、桜ヶ丘、岩国、下関商、早鞆、岩国商、徳山、西京なども注目される。
 

四国

香川

高松商 ○英明 △丸亀城西
 
センバツにアベック出場した英明と高松商が中心。秋季大会では県・四国と英明が2連勝したが、春の四国大会出場決定戦も高松商が逆転サヨナラ勝利。夏は高松商が決勝で英明を破って3大会連続出場中。高松商は浅野を擁した去年とは打って変わって投手力が高い。選抜で智弁和歌山を破った英明はMAX143km/hの寿賀とタイプが異なる投手を擁し、打線も強力。2強を追うのは2校が不在だった春季大会優勝の丸亀城西。MAX143km/hの河田、角銅に、中田も台頭し投手層が厚くなった。
秋春ベスト4の寒川は強肩強打の4番中道主将が引っ張る打線がいい。尽誠学園は石川、横川、真田の継投で勝負。志度はエースで4番の新鞍が投打の中心。甲子園準優勝経験がある坂出商は春ベスト4と久しぶりに好成績をあげている。甲子園初出場にあと一歩に迫る大手前高松は秋春ベスト8と今年も好調。
多度津、坂出工、高松北、香川中央、香川西、藤井なども注目される。
 

愛媛

 
2年連続で初出場校(選抜は出場あり)が出ている愛媛。今年も本命不在の混戦だ。秋優勝の今治西が今年県内唯一の秋春連続ベスト4以上で、実績で一歩リードしている。多彩な変化球で打たせてとるエース右腕の松田、三振を奪える左腕の渡地を軸に守備からリズムを作る。昨夏・春優勝の帝京五は昨夏の甲子園を経験したエース国方と秋元のバッテリーが攻守の柱だ。松山商は春準優勝、近年コンスタントに上位進出し復活の見えてきた。
秋準優勝の済美は森田と村田の左右の二枚看板に安定感があり、打線では杉野の長打力が光る。松山学院は春季大会準決勝で松山商に延長11回タイブレークと善戦した。秋3位の宇和島東は春は初戦で敗退したが投手力がある。秋4位の西条は1年秋から正捕手の谷野宮が複数の投手陣をリードする。秋春連続ベスト8の小松は勝負強い打線が持ち味。甲子園出場経験のある松山聖陵川之江、松山東はいずれも投手力が高い。
吉田、新田、今治北、八幡浜、聖カタリナなども注目される。
 

徳島

◎鳴門 ○阿南光 △鳴門渦潮
 
2010年以降12大会中9回出場の鳴門が今年もリードしている。故障から復帰した藤原はMAX145km/hの直球、スライダーが光る。今年は3カ年計画の1年目のため他の学校にもチャンスはある。対抗は春季大会で鳴門を破った一昨年代表の阿南光。2年生エース吉岡がMAX145km/hに球速がアップした。秋準優勝、春ベスト4の鳴門渦潮は攻守の軸が複数いる。
21世紀枠で選抜出場の城東は甲子園でも好投した好投手清重の評価が高い。ノーシードの徳島商は2回戦で城東と対戦する。こちらもドラフト候補の好投手森を擁する。春ベスト4の古豪池田は春季大会準決勝で鳴門に惜しくも逆転サヨナラ負け。夏の甲子園31年ぶりの復活を目指す。悲願の甲子園初出場を目指す生光学園もMAX147km/hの川勝を中心に戦力が高い。
名西、阿波、小松島西、徳島科学技術、徳島北、富岡西なども注目される。
 

高知

明徳義塾 ○高知 △高知商
 
春季四国大会優勝の明徳義塾と、同準優勝でセンバツ出場の高知。今年もこの2強が中心だ。明徳義塾は小林、寺地のドラフト候補のバッテリーを擁し、打力も高い。高知も辻井、高木のバッテリーの評価が高い。春準優勝の高知商はエース草道に安定感がある。
春ベスト4の高知中央はエース高橋に悲願の甲子園初出場の期待がかかる。秋4位の土佐は春季大会でも2回戦で高知商に延長10回2-3と善戦し実力がある。梼原は元高知商部長の梶原監督就任し、2017年の再現を狙う。
追手前、須崎総合、高知工、高知国際、伊野商、岡豊なども注目される。
 

九州

福岡

 

強豪がひしめく大混戦の福岡だが、春季福岡大会で決勝に進出し九州大会でベスト4に進出した2校が中心となりそうだ。
西日本短大付は秋優勝、春準優勝で今年の実績はナンバー1。俊足の江口ら2年前の夏の甲子園の経験者が多くいる。福岡大大濠は春季福岡大会で7試合65得点で優勝した強力打線を誇る。昨年春夏連続出場の九州国際大付は甲子園2度出場のドラフト候補佐倉を中心にこちらも強打が売り。
秋準優勝の東福岡は4番中園が県内屈指の強打者。ドラフト候補の園田を擁する春ベスト4の福岡工大城東、秋春ベスト8の飯塚投手力が高い。無名ながら春3位と躍進した希望が丘も注目される。昨年準優勝の筑陽学園は江口前監督から引き継いだ前田監督が夏初采配となる。東海大福岡は今年は秋春連続ベスト8と好成績をあげ、夏の甲子園初出場が狙える。秋ベスト4の近大福岡は秋季大会準決勝で2打席連続本塁打を放ったパンチ力が売り。県内屈指の進学校福岡は秋ベスト8でシード校となった。
昨年ベスト4の小倉工筑後大会優勝の久留米商北九州市長杯準優勝の真颯館、大牟田折尾愛真東筑福岡第一、北筑、沖学園なども有力だ。
 

佐賀

佐賀北 ○佐賀商 △神埼清明

 

県大会を圧倒的な強さで秋春連覇した佐賀北が本命。対抗はNHK杯でその佐賀北を破って優勝した佐賀商だ。4月に監督に就任した野中監督がいきなりタイトルを獲得した。技巧派の鍵山投手擁する神埼清明は昨年夏から県大会4大会連続ベスト4進出中。
秋準優勝の鳥栖は堀江監督と主将の親子鷹が注目される。昨年春夏連続甲子園出場の有田工は昨年の経験者を中心に夏前に調子を上げてきた。龍谷は昨年ベスト4の立役者エース谷川が復帰し、NHK杯でベスト4と結果を出した。東明館はエースが故障から復帰しチーム力が上がった。春準優勝の神埼は左右の投手が揃う。春ベスト4の敬徳は得点力が高い。北陵は好打者後藤が打線を引っ張る。
嬉野、佐賀学園早稲田佐賀唐津商、伊万里なども注目される。(ノーマーク:鳥栖
 

長崎

◎海星 ○大崎 △長崎日大

 

今年選抜で県勢初のアベック出場を果たした長崎。選抜に出場した2校と春季大会で好成績をあげた4強が軸となる。3季連続出場を目指す海星が本命。選抜で打率5割を記録した山口、広陵戦で2点タイムリーを放った田川を中心とした強力打線と吉田・石田の二枚看板の投手力を誇る。
秋ベスト4、春優勝の大崎はエース山口を中心に夏の甲子園初出場を狙う。2年連続選抜出場の長崎日大は甲子園でも見せた2人の継投が軸となる。春準優勝の創成館は元プロ野球選手を父に持つエース福盛が注目される。
清峰は元監督吉田監督の選抜優勝に刺激され、春季大会で久しぶりのベスト4進出。九州文化学園はエース中村がスライダー・フォーク・チェンジアップと多彩な球種を持つ。波佐見は2年生の好投手を擁する。長崎総科大付は今年は秋春ベスト8と安定している。秋ベスト4の鎮西学院、2年前の代表校長崎商、秋春ベスト16の鹿町工も有力だ。
 

大分

大分舞鶴 ○明豊 △大分商

 

本命は春季大分大会優勝、九州大会準優勝、大分選手権優勝の大分舞鶴。今年に入ってから県内では無敗で、21世紀枠で出場した昨年選抜に続く甲子園出場はなるか。2年連続出場中の王者明豊は今年も甲子園経験者森山を中心に戦力が充実している。選抜出場の大分商は児玉、飯田、松木の三本柱に強打者豊田、渡辺を擁して打線も強力。
春準優勝の藤蔭は秋季大会で骨折した好投手松石が復帰した。大分は独自大会を含めて夏は5年連続初戦敗退中だが今年は春ベスト4で好チームだ。昨年夏秋ベスト4の佐伯鶴城は藤蔭・明豊のいる激戦区から上位を狙う。津久見は佐伯・田辺ら多彩な投手陣と一発のある好打者を揃えて35年ぶりの甲子園出場を狙う。好投手を擁する古豪柳ヶ浦は秋ベスト4のシード校高田と2回戦で対戦する。臼杵は攻守強打の遊撃手を擁する。
大分国際情報、中津東、中津南、大分工なども注目される。
 

熊本

有明 ○熊本工 △文徳

 

春季九州大会優勝の有明が一歩リードしてるものの大混戦。九州大会決勝でサイクルヒットを記録した小林を中心とした打線と6試合で21盗塁の機動力が武器。名門熊本工は秋春とも結果が出ていなかったがNHK旗で優勝し夏に仕上げてきた。文徳は秋春準優勝、RKK旗優勝と今年は好成績をあげていて、25年ぶりの甲子園出場が狙える。高校通算30本塁打に迫る4番辻崎を中心とした強力打線に、エース森平の制球力も良い。
九州学院は直江、渡辺のバッテリーなど昨年の甲子園経験者が多く残る。勝ち上がれば準々決勝で熊本工と対戦する。このブロックは秋春連続ベスト8の古豪済々黌も入った激戦区だ。熊本商は秋ベスト8、春ベスト4、RKK旗は準優勝と右肩上がりで結果を出してきた。城北は好投手井口が鍵を握る。秋優勝の東海大熊本星翔はドラフト候補の遊撃手百崎を擁し、玉木を中心とした投手力もある。甲子園未出場ながら秋ベスト4のルーテル学院、秋春ベスト8の熊本国府も力がある。
昨年準優勝の秀岳館、好打者藤田を擁する天草工、専大熊本玉名、八代東、翔陽も有力だ。
 

宮崎

日南学園 ○宮崎商 △高鍋

 

例年通り混戦だが、春季大会優勝の日南学園が一歩リード。エース町屋は140km/h台前半の直球とカットボールが武器。5月のMRT招待野球では昨年夏の王者仙台育英に引き分けた。日南学園と反対のブロックから甲子園を狙うのが秋の優勝校宮崎商。コロナで出場辞退した2年前のリベンジに燃える。秋の準優勝校で21世紀枠県推薦校の高鍋は6月の県選手権で優勝した。
小林秀峰はMAX143km/hの好投手熊ノ迫を擁して秋春連続ベスト4。高校通算17本塁打の吉村を中心に打力も強い。同じく秋春連続ベスト4の延岡学園はMAX148km/hの藤田、押川の二枚看板で10年前の準優勝以来の夏の甲子園出場を狙う。昨年代表の富島は日高の後を継いだ豊富な投手陣で連覇を狙う。県選手権準優勝の日章学園は的場・横山の2年生バッテリーが鍵を握る。秋ベスト8の聖心ウルスラは昨年代表の富島と、昨年ベスト4の都城泉ヶ丘高鍋と初戦で対戦する。宮崎学園は好投手河野を中心に投手陣が豊富。
鵬翔、都城商聖心ウルスラ、宮崎第一、小林西、宮崎日大なども注目される。
 

鹿児島

 
鹿児島実、樟南、神村学園の平成後期の3強に鹿児島城西を加えた4強になりつある鹿児島。そこに今年は鹿屋中央も加えた5強の争いとなりそうだ。秋季大会とNHK杯優勝の神村学園が一歩リード。昨年春季九州大会で優勝したメンバーが多く残る。夏の甲子園初出場を目指す鹿児島城西は池野、黒川のドラフト候補のバッテリーを擁する。秋準優勝・春3位の鹿屋中央は高校通算15本塁打の遊撃手村山を中心に強力打線を誇る。
2年前の代表校樟南も打線が強い。昨年代表の鹿児島実は右腕菅田ら投手力が中心。近年好成績の国分中央、昨年春から4季連続ベスト8のれいめいが5強を追う。薩摩半島南端の枕崎、離島の徳之島も今年は有力。鹿児島玉龍は好投手を擁する。出水中央NHK杯でベスト8に進出しシード権を獲得。鹿児島商は今年から塗木監督が就任した。
 

沖縄

 
本命は秋季九州大会で優勝し選抜で1勝した沖縄尚学沖縄尚学のいない春季大会で優勝した日本ウェルネス沖縄はチャレンジマッチで沖縄尚学に勝利。この夏は第1シードで創部6年目で初の甲子園出場が見えてきた。昨年出場の興南は平山、仲程と投打に甲子園を経験した注目選手がいる。
春準優勝の宮古は離島の星として近年好成績をあげている。西原は友寄と伊集の2年生バッテリーが注目される。シード校西原と名門興南のブロックは豊見城沖縄水産、美里工などが集う激戦区になった。豊見城は2年生の好投手大城を擁する。昨年開校したエナジックは2校を甲子園に導いた神谷監督が率いて力をつけてきた。
糸満、沖縄工、KBC未来沖縄、名護、宜野座、北谷なども注目される。